プロのお手入れ―P.M.T.C.(歯のクリーニング)について
professional mechanical tooth cleaning
プロによる歯のクリーニング(P.M.T.C.)は次のような悩みをお持ちの方に紹介したい方法です。
歯科医院に「治療をうけにいく」から「ケア(お手入れ)とチェックをしにいく」に変えてみませんか?
・歯の色が気になる
・茶色(黄色)くなってみがいてもとれない
・こんなにみがいているのに毎年のように虫歯になってしまう…
・しょっちゅう歯ぐきが腫れたり、膿や血が出る
・歯石をとってもまたすぐについてしまう
・せっかくやインレーを入れた歯が、また虫歯になってすぐにやりなおさなければならない
・口臭が気になる
こんな問題でお悩みの方は
歯のクリーニング-PMTC(専門家による歯の清掃)
を受けてみてはいかがですか?
専門家(歯科医師、歯科衛生士)が、あなたのお口の中の手入れしにくい部分に長い間たまっている汚れを完全に取り除きます。歯の表面に付着した色素もきれいに磨きとることができ、あなた自身の歯、本来の美しさを取り戻します。
大量の歯石がたまったり、歯ぐきがはれたりする前に定期的にクリーニングを行えば、痛みも無く、爽快感がえられます。
また、清掃がむずかしい、インプラントや、ブリッジなどを装着しておられる方についてもクリーニングで定期的にみがきのこしを完全に取り除くことで、ながもちさせることができます。
実際にどんなふうに行なわれるのか…
P.M.T.C.の手順について
P.M.T.C.はこのような手順で行ないます。
初めてお口のお掃除(お手入れ)を受けられるケースでの手順を説明します。
1.セルフケア(自分で行なう毎日のお手入れ)のチェックと指導
毎日使用している歯ブラシを持ってきてもらいます。 | その方のお口の状況に適した歯ブラシかどうか確認します。 |
毎日の歯磨きをする時間、回数、時間帯、使用しているもの(フロス、歯磨き粉、うがいぐすりなど)について質問します。 | 歯磨きのタイミング、時間、その他の状況について確認します。 |
普段の仕方で歯磨きをしてもらいます。 | その方の歯磨きのテクニック(歯ブラシの当て方、動かし方など)を調べます。 |
歯垢(プラーク)染め出し液を用いて、磨き残し部位を患者さんと一緒に確認します。磨き残し部位だけが赤く染まります。 | 実際にどの程度、プラークが清掃できているかチェックします。 |
磨けていないところを一ヶ所ずつ磨いてもらいます。 | 歯ブラシの当て方、便利な器具の使用法など説明します。 |
その方に適した、ブラッシング方法を指導します。
バス法 |
歯槽膿漏がある人向け | 歯ブラシを歯面に対して45度傾け、ほんの少し歯ブラシの毛先を歯の周りに沿って歯茎の内側に入れて、小さく横に動かします。 |
スクラビング法 | 若い人、健康な歯茎の人向け | 歯ブラシを歯面に直角にあて、小さく横に動かします。 |
その他の便利な補助器具の紹介
デンタルフロス |
歯と歯の間の面の清掃に使用します。(となりに歯があればふつうの歯ブラシでは隣り合う面の清掃はできません。) 歯と歯の間に空隙がない方の清掃にはデンタルフロスが適しています。 糸を指にまきつけて使用するものと、ホルダーつきのもの(ウルトラフロスなど)があります。 |
歯間ブラシ |
歯と歯の間に空隙のある方の清掃に用います。またはブリッジを入れておられる方の、橋渡しになった部分の下のところの清掃にも便利です。 空隙のサイズにあわせて、US、S、M、L、とサイズもいくつかあります。その方に適したサイズを選んで使用してもらいます。 |
プラウト | 歯並びの悪いところ、内側や一番後ろの歯の後ろの面など磨きにくいところの清掃に用います。矯正装置を入れておられる方の清掃にも用います。 サイズもSとMがあります。そのかたに適した硬さを選んで使用してもらいます。 |
2.歯面に付着している歯石を除去します
超音波スケーラーを使用する方法
スケーラーを用いて除去する方法
歯槽膿漏にかかっている方の場合、歯周ポケットの深い部分に付着した歯石は超音波スケーラーが使用できないため、ハンドスケーラーを使用して取り除きます。
歯石除去に要する時間、回数は付着している歯石の量、付着部位によって異なります。
「歯石をとるのは痛い?」…よく質問されます。
↓
歯が知覚過敏を起こしている時や、歯槽膿漏が進行していて歯周ポケットの深い部分の歯石を除去するときなど、痛みを感じることがあります。
↓
このような時は遠慮なく「痛い」とお伝え下さい。
担当医と相談して麻酔を使用します。
しかし、一番良い方法は、定期的にお手入れを受けて、たくさんの歯石がついてしまうことのないように保つことです。
また、知覚過敏のある方は歯石除去が終わった後で知覚過敏の治療を受けて、次にお手入れを受ける時には知覚過敏が治まった状態にしておくのが望ましいです。
こうすれば麻酔を使用しなくても痛みを感じずに歯石とりなどのお手入れが受けられます。
3.歯面をクリーニング、研磨してピカピカにします。
歯面研磨用のペーストを使用して歯の面をツルツルにし、なめらかにします。
歯面のきばみ、着色(茶渋のような着色や、タバコのヤニなど)がある方はフッ素配合歯面研磨用ペーストをプロフィーカップ・ブラシにつけて研磨します。クラウン、ブリッジなども研磨してピカピカにします。
歯周ポケットの深い部分の歯石を除去した時はポケット内を抗菌作用のある薬剤を含む液で洗浄します。
4.次のお手入れまでの間隔を決めます。
重度の歯槽膿漏の進行抑制のために | 約1~3カ月ごと |
歯槽膿漏の予防・管理のために | 約3~12カ月ごと |
カリエスリスク(虫歯になりやすい状態)の管理 | 約6~12カ月ごと |
インプラントやたくさんつながったブリッジなどのメインテナンスのために | 約3~6カ月ごと |
以上はだいたいの目安ですが、その方にとってP.M.T.C.の効果を何に最も期待するか…によって間隔を決定していきます。
セルフケアでうまくコントロールができるようになればこの間隔が少しずつ長くすることができます。
5.2回目以降のお手入れは
1.セルフケア(自分で行なう毎日のお手入れ)のチェックと指導
2.歯面に付着している歯石を除去
セルフケアが良好で、お手入れの間隔が適していればこの2つのステップは短時間で済ませられます。
お手入れが歯面研磨を中心に行なえるようになれば患者さんの苦痛や痛みも少なく、歯槽膿漏の進行抑制、予防やカリエスリスクのコントロールなどの目的も充分に果たすことができます。